形ある内に付ける アルミ練習で仮付け溶接をアークスポットでする

「形があるうちに付ける」が顕著にわかるのがアルミ。

アルミ>鉄>ステンレス>チタン

湯流れが良い順です。湯流れは鋳物(google)の用語です。

2mm程度の板の溶接、特に突き合わせでビードの太さで穴が開く順かもしれん。ただし、アルミだけは大きく凹むが表面の酸化皮膜で穴になりにくい。

鉄の場合はプールが少し凹むという状態が溶接中に認識、見える。やらかいので重力で凹みやすいくプールが大きいと穴があく。ステンレスはぷよぷよなんで凹む感じは見えないし、穴にはならない。

溶接ではやらかい、ねばい、流れるとか穴が空きやすいと言う?。TIGだと先端が溶けた状態の溶加棒をプール以外の母材に当てた時の感覚では飴玉みたいにくっつきやすいのがステンレス(チタンはもっと、ガムテープかな)、鉄はサラサラ、アルミはもっとサラサラ、溶接棒を適当にアークに近づけると氷柱ができるくらい。鉄の溶接棒が赤くなった状態で母材に当たっただけでくっ付くことは無い。アルミはなおさら。

アルミの溶接棒はツララみたいに流れやすい。右の白い方がアルミ。左は鉄用の溶接棒。ステンレスも鉄もツララ/氷柱になったことがない。

JIS検定試験C-2P固定管

JIS検定を受けるには水平鉛直固定管、最高です。東京パワーテクノロジー株式会社様ありがとうございます。

徹底解説はこちらでしょう。JIGEN WELDING 溶接研究所様ありがとうございます。Arcweiding【JIS手溶接C-2P 専門級】徹底解説!!合格までの流れその

こちらはT-1Pの裏波ざんまい。講習3日目続き。WeldingTV【溶接工社長】様ありがとうございます。

どちらも勝手にリンクさせてもらいました。m(_ _)m

溶けても粘いステンレスと違ってサラサラ鉄は形ある内(裏波を重力に逆らって盛るため)に冷やさないといけないことが良くわかります。

ティグ/TIGのアーク開始時ブロー

TIGはまず入らないでしょ(プリフローは必要ですが)。

アークスタートのブローは、被覆アーク溶接や炭酸ガスアーク溶接では入りやすい。

TIG以外は母材が冷えた状態で溶加棒が入るからね

TIGでは先に母材を溶かしてから、溶融池(プール)の大きさを確認して溶接棒を入れる。

ステンレスをTIGで溶接する時は特におだやかにビードがおける。

ステンレスのTIGならアークスタートでのブローは無い?。レントゲンせんとわからんが。キレイにしてらた風が吹く以外に要因が無い。

ビードの開始をTIGと炭酸ガスアーク溶接と比べるとよくわかる。アルゴンガスを使うMIGであればもっとわかりやすいかもしれん。母材に比べ溶接棒は簡単に溶けるしね。

ただ、ペンキや錆など不純物があるといけません。黒皮という錆のある黒い鋼板にビードをおくとわかる。

TIGでブローの嵐は、黒皮の付いた鉄にビードを置くと気持ち悪いくらいブローを見ることができる。溶接棒を多めに入れると脱酸剤Mn,Si/マンガン、ケイ素のおかげでブローは減る。

何が言いたいか

母材だけ溶かすことができるTIGの特徴です。溶接棒を加えず母材を溶かすことができるのですからブロー(泡)を閉じ込めることなく表面に出るまで熱を加えることができる。

棒を先に溶かすのはギャップが大きい時の仮付け溶接ぐららいです。棒が先ということでは無いが、C-2P(鋼材ね)とかルート間隔を4mmくらいにした場合も棒と開先が溶けるのは同時かも。クレータ電流でゆっくり冷やせば大丈夫。

ティグ/TIG交流と酸化皮膜 アルマイト処理

アルミとマグネシウムは、酸化皮膜の融点が高い。

正月の餅のように表面が固くて、中が柔らかい。溶接では、表面が溶けにくく中は溶けやすい。

アルミの融点は660℃これ中の融点。表面の酸化皮膜の融点は2072℃。中は溶けて、表面が溶けないという餅の状態になる。この状態では溶接できない。

マグネシウムの融点は650℃。表面の酸化皮膜の融点は2852℃。アルミ同様に溶接しにくい。

TIG溶接では交流にするとアルミもマグネシウムも溶接できる。交流は、電子の飛ぶ方向が、電極から母材、母材から電極へと切り替わる。TIG溶接機では最大1秒間に500回くらいは切り替えることができる。

下図。TIG溶接機は母材/アースがプラス+。トーチ/電極はマイナス極。正極性。

下図。炭酸ガスアーク溶接機は、母材/アースがマイナス。トーチがプラス。逆極性。

酸化皮膜を壊すタイミングは、電子から母材に電子が打つかる時(注意。電子はマイナス極から出ます)。らしい。溶接時のプラス、マイナスは、正極性と逆極性がある。TIGの交流なので半分は正極性で半分は逆極性、逆極性の時が酸化皮膜を壊すタイミング。正極性の時は母材が溶けやすい。

よって

アルミとマグネシウムはTIG交流にします。

逆極性のタイミングで電極が溶けやすい状態になるため電極は先を尖らない。教科書的には、アルミとなれば純タングステン電極だがセリタンで大丈夫。電極の先が溶け落ちないように尖らさない方がいいかもしれません。

真鍮(銅Cuと亜鉛Zn)も交流を使うことがあるらしい?。基本、銅は直流でするので合金、真鍮の場合は亜鉛が多いと銅より溶けにくい酸化皮膜ができるのかもしれん?。よって、真鍮は直流か交流か溶接のやりやすさで決める。

アルマイト処理したアルミ。色付きのアルミのこと。

まず、溶接できない。アルマイト処理も酸化皮膜の処理だが分厚すぎる。

アルミの酸化皮膜の厚さは0.01ミクロン(0.01μm×0.001=0.00001mm)。アルマイト処理の酸化皮膜は10ミクロン以上(0.01mm)。桁が違う。アルマイト処理の酸化皮膜はTIG交流でも壊せない。だから溶接できない。

ミクロンはマイクロメートル。1μm(マイクロメートル)=0.001mm(ミリメートル)。千分の1mm。

アークスポットで仮付スピードアップ。適正電流を調べるティグ/TIG誰でも簡単

設定方法です。知る限り古いTIG溶接機でもアークスポットはあります。

アークスポットの時間を0.1秒にして電流をメチャ高くするとメチャ効率良く仮付ができる。

100Hz以上のパルスと脈拍パルス

音としては、

100Hz以上だと「ビー」です。数えられません。

100Hz以上で使うのですが、大抵の機械は300Hzとか500Hzくらいが最高です。通常、最高に設定します。100Hzは効果が感じられるのが100だったとうことです。デジタルの場合はボタンを押して変更するタイプなので1.5Hz⇔500Hzの変更が面倒なので100Hzを超える程度の130あたりを使ってます。下図のアナログなら500Hzにします。

電流は下が最低(4Aぐらいが最低かな?機械による)と上が、通常の電流の倍に設定する。上とか下とか書いてるが、溶接機ではパルス電流、溶接電流の設定になる。どっちかを上にしたらもう片方が下の電流です。どっちでもいい。どうせ切り替わるのだから。

具体的に普段70Aでしているなら上を140Aにする。通常、半分4A、半分140Aと切り替わるので平均すると70(正確には4+140=144。144/2=72A)。

拍子がとれるくらい。つまり、数えられるくらいのテンポはアナログのTIG溶接機では低速(下図赤い枠)としてが書いてある。次図は、ダイヘンのアナログメータのTIGです。

低速は0-20Hz、高速は20-500Hzの設定ができる。アナログはツマミを回せば簡単に周波数を設定できる。デジタルよりスピーディ。滅多にいじるとこじゃないので影響ないかな。

脈拍パルスって勝手名付けたのは1.3Hzです。脈拍は、だいたいの人が80回/分。秒に直すと80/60秒=1.333333。ビートの効いた?感じはもうちょっとアップテンポ2Hzとか3Hzかもしれません。

手をたたきながら「タンタンタン・・・・・」は1.5Hzくらいでしょうか。

脈拍パルスの電流の設定では、最低(4A程度)は使わない。100Hz以上の時のように最低(4A程度)でアークは切れないが、0.3秒とか4Aでアークは発生しないだろう。だからアークが切れる。アークスタート、終了の繰り返しのようになるのでクレーター処理ができる程度に上げておく。低い方は上の1/3くらいにする。熱の変化が大きすぎるのも良くないだろう。例えば上80A、下70Aだとパルスしなくてもいいわ。

活用点は、100Hz以上が使える。うるさいが。

100Hz以上は、2つの効果がある。アークの集中とプールを叩く効果だ。アークの集中は、隅肉をやるとよくわかる。溶けやすいし、叩くのでプールが流れやすい。早く作業ができるというわけ。

脈拍パルスの方は、プールが大きくなったり小さくなったりする。これを利用して板厚の違う溶接が簡単にできる。もともと、プールが大きくなったり小さくなるのでプールの大きさが意識しやすい。これを利用して、板厚の厚い方にビードの中心を置き、プールが広くなった時に板厚の薄い方が溶ける程度で移動する。例えば、板厚3mmと1mmの溶接だとして70Aと30Aにする。3mm同士の突き合わせで70A、1mm同士で30Aという感じです。やりやすさとスピードによって電流を変えます。

ティグ/TIG立向きパイプなど TN-V

どんどん溶接動画増えてますね。内容もすばらしい。

RF0でRG3.2と大きいわ。RF/ルート面、RGルートギャップ隙間のこと。

この動画はわかりやすい。2:20くらいから

RFなしじゃないかな。目で見ても1mm程度のRFはわからん。RG3.2、棒2.0、70A

パイプ ルート間隔3.2

立向きメルトラン

ティグ/TIG溶接棒の送り方リンク集ついでに私も

Googleするといろいろあります。「TIG 溶接棒 送り」。

棒の送りじゃないけど、このアニメーション?すごいわ。現実はこんなにクッキリ見えないが、脳内処理でアニメーションのように見える人はいるんだろうなー。

こちら、オススメです。m(__)m

溶接の動画もいっぱいです。普段使っている溶接棒より太いですが、割り箸は素手になじんで練習になります。家では割り箸で練習。ラーメンを食べながらとか、利き手で何かしながら練習する。溶接でも片方はトーチを持ちますからね。

コベルコさんの送り方。これも箸を使ってるのがいい。私は割り箸が好き。滑りにくいのでね。ここで①②③種類のまとめの所(1:20あたり)。

練習するのは、①と③で、②は練習しなくてもできると思う。

私は、さらに③の持ち方で①のように親指で送ることもする。これと①を使うことが多い。

送りは、親指だが、指先で送るのもあるが、親指の付け根というか親指の根本をグニュグニュ動かして送るとか、親指の根本で挟んで人差し指と中指で挟んで送る。手袋だと親指の先が使いにくいから、親指の根本は使える。

中指と薬指で挟む方法もある。

言葉で書くと

親指は、送りに使う。親指の根本指先で送る。親指の根本のはさみ方は棒を曲げるように挟む。

人差し指と中指、または、中指と薬指で棒を挟む。

人差し指と中指、中指と薬指で2種類となる。

練習はこの2つだけでいいと思う。送りは、親指だけじゃなくて人差し指と中指も使うことがあります。これ送りが多くていい。鉄の溶接では使えます。

練習しなくていい?やり方の方は、中指、薬指、小指の三本を適当にかませる。動画では中指が遊んでますが。教科書的には中指と小指はセットで棒の反対側に薬指をもってきて挟む。薬指が外側でも内側でもどっちでもいいじゃないかな。適当です。

動画YouTubeで「TIG welding filler rod feeding」で検索すると海外勢の情報。

食事の時は両手を使いましょう。TIGでは両手を使いますから普段から鍛える方法。一般的に日本だけ両手を使うのが行儀がいい(セクシィのサイト)。ローリングの練習で溶接棒を入れるとメチャクチャになるって話も以前書いたな。

追記、

棒の送り方はわかっても練習しないとね。特訓課題を考えた。常に棒をプールに入れて送れる練習課題。