TIGステンレスは、バックシールドが効いてないと先に進まない

TIG/ティグ/アルゴン溶接。TN-H横向きの例です。

動画の時間1分40秒

2層目にビードを置くときもワイヤーブラシで酸化した黒ぽい膜、溶接焼けがあるとプールが進まないのと同じです。溶接焼けは熱いうちにステンレスのワイヤーブラシで取りましょう。

TIGでビードを太くするならウィービング

炭酸ガスアーク溶接、被覆アーク溶接では、太いビードを引く場合にストレートに動かしても電流を上げれば広くなる。

TIGでは裏波とか、完全溶け込みの話ならプールが出来て止めることはある。TIG/テグだけは、熱だけ入れることができるから。

単に盛るなら母材が溶けたら溶接棒を入れてどんどん進む。幅が広いならさっさと溶かしたい所を狙って溶けたら棒と、つまり、ウィービングです。

盛るのに溶け込む深さ?ってどうでもいいというかTIGは表面が溶けているのか見えてるので、炭酸ガスアーク溶接、被覆アーク溶接のように母材の溶けを予想して電流を上げるとかプールの先頭(プールの薄い所)にアークを狙うとかTIGにはいらん。

TIGでストレートに動かしてるのにビードが5mm以上(電流によるが)ある人はご注意を。熱の入れすぎ。

ここここにも書いてました。

ティグ/TIG溶接、左手の棒送りの練習

軟鋼3.2mm、開先加工なしならどんどん練習できます。溶接棒の送りの練習ね。ローリングより先にこの練習がいいです。

慣れるまでは両手は手首あたりで固定します。そして、肘/ヒジや脇を閉めて固定する方法も慣れましょう。

これは下向きです。2.4mm径の溶接棒TG-S50神戸製鋼です。軟鋼3.2mm厚でI形突き合わせです。すきま/ルート間隔は、4mmくらいで広めが練習にいい。120Aでクレータ電流は25A程度で冷やす。「クレータあり」か「反復」です。

棒の送りの練習なので母材の肩に当てて安定して送る練習をします。

下向きなのでプールと溶接棒を一体にしなくてもいいのです。重力でどうせ下にたれるからです。クレータ電流で冷やさなくても適当に裏に出る。

送りに慣れたら以下のことを練習しましょう。

立向きや横向きでも使えるようにするには、

  1. 母材の左肩に置いてプールに常に付けて、プールと1体にする。
  2. 立向きや横向対策に、肩に当ててプールの下側に入れる。

電流は下向きと同じです。

C-2V JIS検定試験 立向きティグ/TIG溶接、被覆アーク溶接

Cはコンビネーション、初層はTIG、2層目から被覆アーク溶接。

鉄のTIGの場合、横向きより立向きが難しい。

何がって

手前に垂れるから

対策

  1. 母材をよく溶かしてから棒を入れる。
  2. 棒は入れすぎない

それと

ローリングはしない。

まずは浮かして溶かし方がわかることが大事。ローリングはその後です。

横向きC-2Hはこちら

被覆アーク溶接の方は、LBを使う方がスラグがしっかり溶融金属を押さえてくれるのでおすすめ。

アーク長は短くしてアークの勢いで硬いスラグが来ないようにする。動画ではノロを飛ばすって書いてる。短さはアークが見えないくらい。

1層目はTIG、150A、クレータ25A。クレータありか反復でする。溶接棒は2.4mm。C-2Hでは2層でした。立ては盛れるので1層です。

2層目、3層目は被覆アーク溶接。LB-47径3.2mm。どちらも100-110A。C-2Hに比べ電流は低い。

TIGのトーチハンドルは、親指と人差し指で持つイメージ

被覆アーク溶接のホルダーは、小指までカッチリにぎらない

あえてアンダーカットにする

ステンレスのメルトラン/あぶりだしの話し。

裏波というか裏まで溶けてるかどうかは、プールの前方にアンダーカット、凹みがあるとプール全体が落ち込んでいるので裏が凸になっている。プールの外周が凹むとプールがブルブル震える。

この手法は、TIG/アルゴン溶接での話しです。

ステンレス2-3mm厚程度の板で裏波を出す場合は、ビードを引くときにプールの外周を見るようにする。

単にビードを引く場合は、水玉状でプールを流す。水玉状でないと盛れません

裏波はプールの周りが凹んでからプールを動かす。盛る時は溶接棒を入れて水玉状のままサッサとプールを動かす。

ステンレスの話しです。鉄の話しでは無い。

自動遮光面のディレイ/DELAYって使ってますか?

DELAYって「遅れ」という意味。

ティグ/TIG溶接のスイッチボタンの使い方。の説明です。

自動遮光面は目が疲れる。って方。ティグ/TIGでスイッチボタンをポチポチ押してますよね。

自動遮光面とは、溶接前には手元がはっきり見える透明フィルターですが、アーク光が出ると自動的に遮光されます。 アーク光が消えると再び自動的に透明になります。透明っていうほどではありません。サングラスくらいの暗さで見えます。

モノタロウさんの自動遮光面

で、

ティグ/TIGで「クレータ有り」の時に目が疲れませんか?。「反復」ならアークが切れることがないので自動遮光面が透明になることがないので目が疲れません。

対策はあります。

DELAYを最大にしてクレータ電流から初期電流までのスイッチ操作を0.9秒内(カタログ値。使ってる自動遮光面のDELAY最大時間)にする。

溶接機の初期電流は有効にしないとこれまた目が疲れる。アークが切れてイキナリ本電流も目を疲れさせる。

動画はクレータ電流から初期電流にするまで0.9秒以上(これでも早いつもり)。一瞬明るくなるので目の瞳孔が大きくなったり小さくなったりするでしょう。後半は0.9秒以内ボタンを押すので自動遮光面が明るくなることはない。

DELAYの最大がホンマに0.9秒なんかな?

0.5秒くらいの気持ちで直ぐに、しかも癖になってないといけませんね。

あと

感度/SENSITIVITYも高めの方が明るくなりにくい。

アークが出て遮光面の反応はカタログ値で0.0001とかスピードを強調するがDELAYの方も注目。最大1秒から2秒近い物もある。少なくとも1秒以上はほしいわ。

私が「DELAYがいるな」って初めに思ったのはアルミで純タングステンを使った時です。アークが切れても結構、真っ赤っ赤。目を焼きます。

DELAYってアルミで使うくらいかなって思ってたが「クレータあり」でスイッチボタンの押し方が慣れないうちはDELAYを大き目にする。

このDELAYについて書こうと思ったのは、「自動遮光面は目が疲れる」って聞くことがあって、もしかして、「クレータあり」でのスイッチ/ボタンの使い方に問題があるんでは?と。老婆心でしょうかねー。

ウィービングの話し

溶け込みの話し」その2である。

半自動、被覆アーク溶接のウィービングは、幅広の目的で使うし、振り幅は無限大ではない。両端が赤いうちに進むので下向きは電流が高いから結構、立向き、横向きだと電流を下げるので振り幅は小さくなる。被覆アーク溶接は棒経の3倍まで、炭酸がアーク溶接はシールが効く範囲。一般的なノズルの外形は22mmくらいなので内径は20としたら20の振り幅なら振りが早くてもシールドできる。

TIG溶接のウィービングは、振り幅は無限大。じゃなくて決まりなし。

TIGに関してはアークスタートやビード継ぎなど半自動アーク溶接や被覆アーク溶接のようなバックステップもいらない。

溶け込みの話

半自動溶接、被覆アーク溶接では溶け込みを気にする。なぜなら、材料だけを溶かすことができないから。

このあたり、当たり前すぎて誰も話さないのだろうが、TIG溶接をする溶接工はわかっている。

TIG溶接は、材料だけを溶かすことができる。当たり前すぎ!だが、このこのことは大きい。