炭酸ガスアーク溶接特有の割れ

SN-2Fの練習で
炭酸ガスアーク溶接、特有の割れがあった。
開先加工面に沿って割れ。割れた面は黒い(破断してたらキラキラ光る)。黒いのは溶け込み不良の特徴です。座布団をひくっていうやつです。
(開先加工のVの中にワイヤを溶かして置きましたって感じ)
このような割れ方は手棒では無い。
炭酸ガスアーク溶接特有の割れ
次の写真で開先加工の面で割れているのがわかる。
炭酸ガスアーク溶接特有の割れその2
対策は、以下3つ。
1,後退法(引き角)→母材にアークが当たりやすい
2,溶接スピードを上げる→母材にアークが当たる
(ゆっくりではない!!。150A以上ならゆっくりでもいいかも)
3,電流を上げる。230A以上にすると200A以下にはならないからok
(250Aくらいになる押し、引き、スピードどうでもいいかな)

原因は、対策の反対。
1,前進法(押し): 溶けたワイヤーが先行する。角度、ねかせすぎ。
2,溶接スピードが遅い:母材にアーク飛んでない
3,電流が低い。150A以下。

電流はどれくらいにするのか

はじめての材料だったりはじめての板厚だったりはじめての継ぎ手だったりと初めての時は電流値は一発では決まらない。 似たような製品をすでに作っているなら別だが、初めての製品に、いきなり、製品自体にアークを出す人はいないだろう … “電流はどれくらいにするのか” の続きを読む

はじめての材料だったり
はじめての板厚だったり
はじめての継ぎ手だったりと
初めての時は電流値は一発では決まらない。

似たような製品をすでに作っているなら別だが、
初めての製品に、いきなり、製品自体にアークを出す人はいないだろう。
そんな時、捨て板を使う。
なるべく板厚が同じで同じ大きさの材料にアークを出してプール(溶融池)を見ればだいたい想像がつく。

電流は小い方から大きくしていくのが成功法だろう。
というのは
電流が小さい方が被害が少ないということ。
穴が開いたり、角が溶け落ちたりしたら修復が面倒です。

細かな電流値になると
人それぞれ
運棒方法やスピードが違うとしたら細かな電流値も違うのが普通だ。
その違いとは、5%程度かな。
例えば
90Aと聞いたら、85ー95Aの範囲
180Aと聞いたら、160Aー200Aの範囲

フラックス入り(コアード)ワイヤーとソリッドワイヤーの見分け方とJIS検定試験ではどっちを使う?

ラベルを見る溶接すればわかる。溶接するにはワイヤを取り付ける必要がある。 折ったらわかります。フラックス入りワイヤはペンチなんか使わなくても簡単に切れます・折れます。(フラックス入りは、溶接機ではコアードと書いてあること … “フラックス入り(コアード)ワイヤーとソリッドワイヤーの見分け方とJIS検定試験ではどっちを使う?” の続きを読む

ラベルを見る
溶接すればわかる。
溶接するにはワイヤを取り付ける必要がある。

折ったらわかります。
フラックス入りワイヤはペンチなんか使わなくても簡単に切れます・折れます。
(フラックス入りは、溶接機ではコアードと書いてあることが多い。コアラ、だっこからきてるんでしょう。)

フラックス入りワイヤを送給装置から外すことってめったに無いけど。
外したらわかります。
下がワイヤ送給装置。

送給装置

 リール(白い丸っぽい)を外し、ワイヤがゆるまないように引っ掛けます。下の写真。
フラックス入りワイヤの場合はこの引っ掛けるのに極端に曲げるとワイヤが切れる。
私は、車に積んで運んでいる途中に勝手に外れるので、荷造りテープで貼り付けてます。
フラックス入りワイアのリール止
フラックス入りワイアを手で折る。左側2つ。右はペンチで切った。
ソリッドワークスは、ペンチでないと切れません。
フラックス入りワイヤを手で切るには、一箇所を極端に折り曲げ、反対方向にも折ると切れます。
フラックス入りワイヤ1
フラックス入りワイヤ2

Φ1.2のワイヤです。

フラックス入のワイヤは150A以下では使わないかな。
基本的に薄物はソリッド。100A程度の低い電流だわ。
JIS検定は、ソリッドがいい。(厚板はソリッドだと時間がかかるから?)
フラック入はフラックの巻き込みの可能性がある。
ソリッドみたいに電流を下げると失敗します。
大体、見た目が良く、スパッタ処理が楽なのでフラックス入を使う。
検定では、見た目以上に強度重視だからソリッド。特に、電流が低い時はね。 どうしてもフラックス入りを使う場合は全部引き(引き角、後退法)で、押しはフラックスを巻き込みやすいので禁物です。だから電流は高く、ソリッドの1.5倍以上の電流。
よって、
強度(JIS検定)は、ソリッド
見た目、スパッタ掃除簡単は、フラックス入り 。JIS検定に使うなら電流は高く高く。

このサイトで書いている電流値のほどんどはソリッドの話。フラックを使っている方は、電流を1.5倍?+100Aくらいと考えて下さい。

フラックス入りはワイヤー送給装置のローラーの圧力にご注意。ソリッドは締めすぎOK。フラックス入りはもともと手で切れるくらい弱いし、バネをキツくすると楕円になり、送給がガクガクします。下手するとローラの所で座屈します。

パナは圧力の目安に目盛り付いてる。

フラックスワイヤーを使う場合は、めちゃくちゃ緩める。滑りだしたら少し締める方に回す。これで完了。

溶接棒の単価

手棒(被覆アーク溶接棒)の単価。一本あたりの金額は?いくらか?調べてべた。たばこ1本が22円くらいかな。 価格はΦ3.2。 実際には買う所や地方で違うと思うが、 B-14は5Kgでだいたい2,500円LB-47は5Kgで … “溶接棒の単価” の続きを読む

手棒(被覆アーク溶接棒)の単価。一本あたりの金額は?
いくらか?
調べてべた。
たばこ1本が22円くらいかな

価格はΦ3.2。
実際には買う所や地方で違うと思うが、

B-14は5Kgでだいたい2,500円
LB-47は5Kgでたいたい3,000円
LB-52Uは5Kgでだいたい3,000円
1本あたりの重量はカタログにある。
被覆棒単重量 
KOBELCO
5Kgを1本あたりの重量で割ると5Kgに何本入っているかわかる。
この本数で5Kgの単価を割ると1本あたりの値段がわかる。
B-14は、5000/36=139本  2500/139=18円/本
LB-47は5000/31=161本  3000/161=18.5円/本
LB-52Uは5000/35= 143本 3000/143=21円/本
B-14はイルミナイト系の溶接棒。
LBは低水素系。52Uは、裏波用。

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JIS検定のN-2Vの練習で150長さx35幅で30°の開先加工したものをノコ盤で切ったら
1本あたりの材料代は。
SS400のサブロク板(914×1829)の1mm厚の単価が1000円として、
9mmなので9000円。
1829/152で切ると12本。
914/35=26本。
12x26=312個。ノコ盤で切るのでせいぜい300個。
9000/300=30円。
2本使ってN-2Vをすると30x2=60円が鋼材代。
1層目はLB-52Uをほぼ1本使う。
2層目はB-14を2本。
3層目はB-14を1本。
とすると60+21+18x3=60+21+54=135円。開先加工代は含まない。

 

被覆アーク溶接 手棒 被覆筒と電流の関係

被覆アーク溶接でフラックスの筒(被覆筒)は、電流で変わるという話。(電圧ではありません。被覆アーク溶接/手棒やTIG溶接の溶接機に電圧のつまみはない) 順に電流値が95A、75A、69Aと小さくなる。この動画は、私のでは … “被覆アーク溶接 手棒 被覆筒と電流の関係” の続きを読む

被覆アーク溶接で
フラックスの筒(被覆筒)は、電流で変わるという話。
(電圧ではありません。被覆アーク溶接/手棒やTIG溶接の溶接機に電圧のつまみはない)

順に電流値が95A75A69Aと小さくなる。
この動画は、私のではない。
thank you  “Kemppi Oy”
こちらの方です。古い順に並べたので上の方にあります。TIGが炭酸ガスアーク溶接(CO2)もあります。
3年以上前からある。TIGや被覆のプール(溶融池)の状態がよく見える。
(ところで、
手棒で69Aって低すぎ。交流溶接機で80Aくらいが下限かと思う。Φ3.2の溶接棒の話ですが。
Φ2.0とか使ったことがないのでわかりませんが、80A以下だとアークを保つのに技術がいります。)

まず、

95Aでは、
被覆は溶接棒の長手方向に直角に溶けている。アークも溶接棒の方向に飛んでいる。普通の人が普通に思う、アークの飛び方だ。
また、
溶接棒が溶けてそこからアークが出ている。ことに注目。アークで溶接棒が溶けて、時おり溶接棒の溶着金属が短絡して切れて(スパーク)アークが出る。

ほぼ溶接棒に直角に被覆筒ができている。
ある程度電流が高いとこうなる。いいかんじ。

 

75A。


69Aでは電流が低いので勢いがない(電圧も低い)ので溶接棒の方向にまっすくアークが飛ばない。
被覆が斜めになっている。電圧が低いとアークが飛びやすい(より母材に近い)所に飛ぶ。
このように溶接棒に直角に被覆筒ができるわけではない。

母材と被覆筒が平行だ。

アーク筒被覆筒の写真  中の心線(鉄)が見える。周りが被覆剤(フラックス・薬)。被覆剤は筒状になっている。grab2013-10-17_16-42-06_804

筒(被覆剤)が湿っていたり、強くおしすぎると、筒の一部割れる。
また、
なんかのわからないが筒が斜めになる。
そして、
変な方向へアークが出たりする。
そんなとき、
しっかり乾燥しとけとか、押すな!ということだが、溶接中はアークを飛ばしたい方向に回転させる。

次の写真は、
被覆筒の中にスラグがついたている。電流が低い時に突然アークが切れることがある。特に低水素系。
スラグでアークが止まるのかもしれない。

被覆筒の角を当てて溶接すると簡単です。
被覆アーク溶接棒ってなんでーと言う方はこちらの画像

隅肉(すみにく)のTIG溶接はなぜ電流を上げるのか?

簡単に書くと以下の2つ。
1.アークが集中しない。分散するから電流を上げて溶けやすくする。
2.両方の板の溶かす所が違う。電流が低いままだと溶けやすい方の板だけが溶けて穴
ここでは、
1.の「アークが集中しない」を解説?語る。
電流と電圧。どちらも電があるんでややこしい。
「流」と「圧」だけに集中。
。。。
電気は、流れやすい所を流れる。
電流が高いと電圧も比例して高いのが普通だ。
電圧が高いと飛びやすい。
圧とは圧力、電気のアツだから溶接ならアークが飛びやすいかどうかだ。

一方、
電流の流とは流量、電気の量だかから溶接の話だから熱だ。鉄が溶け量だ。
ちなみに電圧調節は半自動/炭酸ガスアー炭酸ガス溶接にしかない。炭酸ガスアーク溶接のアーク長は電圧ツマミで決まる。手棒、TIGは電流調節しかない。手棒、TIGの電圧はアーク長/人の手で決まる。TIGや手棒の機械は、アークが長くなると電圧が上がる/アークが切れないようなにする仕組みがある。さらに、電圧が高くなっても電流は大きく変わらない特性を持たせている(垂下特性図1のa,bのこと)。

アークも電気だから同じだ。

電気は通りやすい所、近い所に飛ぶ
こんなことはありえない。TIG溶接(アルゴン溶接)の絵。手溶接も同じ。
イメージとしては電極の先からアークがいかにもという方向で角部、目がけて直線で飛ぶ感じだがそうはいかない。
特に電流が小さい=電圧も低い
と次のようになる。
まず、やることは、
電極を角部に近づけることだ。
これは高度な技術となる。
電極を近づけるのがTIGの基本。
これができればいいのだが。。。
(炭酸ガスアーク溶接ならワイヤが近くまで行くので簡単ですよね。)
簡単には、隅肉溶接をするときは、電流を高めにする。
そうすることで電圧が上がるので勢いが増し、狙いの方向にアークが飛びやすくなる。
電流が高いと熱が上がり、溶ける量も増える。

それと、壁面がよく溶けて(溶接棒の代わりなる)結果的に隅が溶ける。溶けてスミが溶けやすくなる。
電流を高めにする方法はある。パルスを使うのだ、周波数は高く100Hz以上。高い方が集中する。
パルスの高低差を大きくする。通常、60Aでの溶接をパルスなら5Aと115Aにする。
(5+115)/2=60
3mm板厚程度で115Aは相当の勢いだ。
これは、一定の電流より一時的に電流が上がる=電圧が上がるため勢いが増すタイミングがあり、
隅肉のコーナーへ、青いXの図のようなタイミングがXではなく本当にある。

さて、
もともと、隅肉は溶けにくい所がある。
すみ肉の下の板は1枚板で大きく、溶接の裏側から冷やされるため電流(熱)を上げる必要がある。
下図は、下の板は熱が逃げる方向が2つ。立てている板の方は熱が逃げる方向が1つ。
特に、溶接している裏側は冷え冷えですよね。
だから、
下側の板は中にアークを飛ばしているので溶けにくく、立っている板の端なので溶けやすい。
よって、
下図の場合は下側の板の方を狙う。というか下の板の方に電極を近づける

溶接ができると
熱の逃げ方が変わる。
隅肉にビードがひければ、つながっているので熱の逃げ方が変わる。
少々の狙い位置が立て板の方にいっても穴は空きにくい。

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一方、角溶接はよけいな所にアークが飛ばないので電流を下げても簡単に溶ける。
電極に近い所は常に母材の角、溶かしたい所が近いので簡単!!。
(アークが飛ぶ所が角に集中するんだな。すみ肉はどうしても分散、バラバラなんだな)
何となく溶接して、狙わなくても角部分が溶ける。
つまり、電極を極端に近づける必要がない。
(高度な技術がいらない)
アークが集中するから電流も平板に溶接するより低くしても大丈夫。
電流を下げると、ゆっくり溶けるのでなおさら簡単。
次の絵では、アークが鉄板の角の部分に当たっている。
電極からの距離が近いためだ。
もし、電極が離れていたり、狙いが悪くても、やはり電極に最も近いのは「母材の角」。
近い所にアークは飛ぶから狙いが悪く(つまり、ヘタ)ても大丈夫。
母材の角が先に溶けて溶接棒の代わりになり、簡単に溶接できる。(穴が開きにくい)。
素人でもできるというわけだ。

角溶接ならうまくいくという誰かさん。
狙いがあまくありませんか?
ホント、角溶接は簡単だわ。


どちらの板も同じように熱を逃がす。ので、両方の板が均一に溶けやすい=簡単。
アークが集中しやすい=熱が集中
という観点から
同じ材質、板厚で、
接合形式によって
電流値は、
以下のことが言えます。
右ほど電流を高くする。右ほどアークが分散する。
言い方を変えると、
左の方が電流を低くできる。左の方がアークが集中する。

例えば、
角溶接で40Aだったら、突合せ溶接で60A、すみ肉溶接で80A。
だから、
どれかある板厚の溶接をしておけば他の接合でも、同じ板厚なら電流値はだいたい想像できる。
なお、
TIGの場合は、熱が集中できるように極端に接近できるなら、上の差は縮まる。

さて、
ワイヤーが出てくる炭酸ガスアーク溶接の場合は、どうなんでしょう。
すみ肉の角部にワイヤーが当たるような短絡移行(ここの1分くらい。母材に当たってからアークが出る)なら
いったん、当たるんだからTIGとは話が違う。
ワイヤーが送られて角部に入ってくるで距離は縮まるし、溶融池(プール)にアークは飛びやすい。

TIG溶接でローリングに代わる方法

http://www.monotaro.com/p/7508/6417/ 有害ではないのかな? このあたり、化学物質ってわからん。 愛知産業 では、大丈夫だと。 TIG finger(ディグフィンガー) 普通に売られてま … “TIG溶接でローリングに代わる方法” の続きを読む

http://www.monotaro.com/p/7508/6417/

有害ではないのかな
このあたり、化学物質ってわからん。
愛知産業
では、大丈夫だと。
TIG finger(ディグフィンガー)
普通に売られてまーす。
アマゾンでは8千円。3千円もある。
なるべくアークが出ている近くで固定、すべらすといいことはわかっているが、
熱い。この布で熱さを回避する。

溶接用保護具の牛の革を切って、
同じようなことをしたことがあるがローリングよりやりやすい。
早くうまくなる。
すべらすので、バイスプライヤーや端材を使う。
簡単な治具で、熱を気にせず使える。

TIG ローリング その2

手前どもの作ではないが電極に鉛筆の芯を付けているのか?画期的だ手の動きもよくわかる。Thankyou Mr. Bosi Ai.??????.溶接棒の持ち方と最後のほうに両手での練習方法もある。スマホ持ち。ローリングについ … “TIG ローリング その2” の続きを読む

手前どもの作ではないが
電極に鉛筆の芯を付けているのか?画期的だ
手の動きもよくわかる。Thankyou Mr. Bosi Ai.??????.

溶接棒の持ち方と最後のほうに両手での練習方法もある。
スマホ持ち。

ローリングについての文書が多いのがこっち(以前書いたページ)