被覆アーク溶接の終端処理

37
9mmの突き合わせ溶接の終端は、普通にしてたら凹む。
突き合わせ溶接の中の方なら360度全方向に熱が逃げる方向がある。
しかし、
端は、熱が逃げるところが少ない。 片方は空気中だ。
だから、溶けやすい。
から、凹む。
凹みを埋めるには、スラグが赤い内に何度かアークを切っては、もう一度アークを発生。アークを切るのは冷やすため。
これを3から5回くらい繰り返す。
アークを切った時に0.6秒ほど冷えるのを待つが、
その時に盛れ具合を見てもい一度アークを出すかどうか判断する。
0.6秒待つとは、溶接面で見ているので終端のスラグが暗くなる/冷えるまで待つ。
(裸眼で見るとまだまだ赤い)赤いうちは光を出している。

アークを切る、もう一度アークを発生にはコツがある。

  1. クレータ/プールが赤いと光が出ているので溶接面をしていても溶接棒の影が見え、溶接棒の先の位置が確認できるのでプールの赤い所に軽く当てるとアークが発生する。
  2. 同じ位置にアークを出すために前腕手首の回転を使う。前腕の回転とはバトミントンの打ち方と同じ。

次の写真はアークを切る前。
25
次の写真は、アークを切ったところ。前腕手首を回転させます。
19
前腕手首の回転ではなく、単に引いてアークを切るとアーク長が長い状態があるので空気を巻き込み安くブローホールになる。
前腕手首の回転の方がアーク長が一定になる。

被覆筒 アークが安定するまで

被覆アーク溶接の溶接棒の先端です。 溶接途中でアークを止めて写真で撮った。 中が芯線(ここからアークが出て自分が溶ける)、周りはフラックス。 フラックスがスカートのようになっている。 このスカートがあるから、被覆アーク溶 … “被覆筒 アークが安定するまで” の続きを読む

grab2013-10-17_16-42-06_804
被覆アーク溶接の溶接棒の先端です。
溶接途中でアークを止めて写真で撮った。
中が芯線(ここからアークが出て自分が溶ける)、周りはフラックス。
フラックスがスカートのようになっている。
このスカートがあるから、被覆アーク溶接は、軽く母材に当てて溶接することができる。

スカートがある状態だと溶けた芯線をフラックスが包むので大気に溶けた鉄がふれることはない。
しかし、
このスカート(被覆筒、保護筒)がない状態、例えば被覆の側面がはがれているような状態では酸素や窒素が溶着金属に入り込みブローホールなどの欠陥になる。
アークスタートで欠陥になるのはアークが安定するまで、被覆筒ができて適正なアーク長になるまでだ。

通常、一瞬ではあるが、スタート時は、長めのアークにして目標を探す。その時に、被服筒を整える。
安定する秒数は、電流が大きいと早い。
電流が低いと秒単位の時間がかかる。
裏波棒 LB-52Uを80A程度で使う場合は、安定するまでに1秒くらいかかる。
先のフラックスがたくさんはがれ芯線が2,3mm出ているともっとかかる。
また、近づけると飴ちゃんみたいにくっつくので、軽く当ててアークが出いたら長めのアークで2秒くらい待つ。この時先っぽを良く見て、被覆筒/スカートからアークが出てる感じなら母材に近づける。

電流と板厚、材質、継ぎ手の関係 

電流は、人それぞれ。
好みですが、だいたい記憶している内容を書き留める。
製品ではなく、継ぎ手形状で該当する溶接箇所の電流値を想定。
アナログな溶接機なら電流値ってバラつくし、アークの勢いで判断かな?
炭酸ガスアーク溶接なら突き出し長さ
手棒、TIGならアーク長

電流値が変わるしね。

TIG溶接
———————————————————————————–
電流 板厚 材質 継ぎ手形状

———————————————————————————–
65A 3 SUS304 ビード置き 初期電流20A、クレータ40A 棒ありも無しも
40A 1.5 SUS304 角溶接 初期電流10A、クレータ20A 棒なし
60A 1.5 SUS304 すみ肉 初期20A、クレータ40ー50A 棒なし
80A 3 5000系アルミ ビード置き 初期20A、クレータ20A 棒ありも無しも
50A 2.0 SPCC 角溶接 初期20A、クレータ40A
65A 3.0 SUS304 TN-F 1層目棒なし。スタートで棒を使う場合もある  初期30、クレータ50A
ルート面0.5 ルート間隔0.5ー1
65A 3.0 SUS304 TN-F 2層目棒あり。ウィービング。 初期30、クレータ50A
70A 1.6 SS400 すみ肉溶接、ストレート。共付。棒ありなら80A。初期30、クレータ40A。
慣れてきたらもっと大きな電流の方が作業がしやすい。強ければ切ったり入れたりすればいい。

半自動のワイヤーはソリッドSE-50T Φ1.2
———————————————————————————-
電流 板厚 材質 継ぎ手形状
———————————————————————————-
90-100 3.2 SS400 開先なし突合せ溶接 ルート間隔2mm 裏波溶接
85 3.2 SS400 デジタルなら85Aに合わせられる。ルート間隔2mm 裏波溶接
(単純なストレート。遅すぎると裏が出ない。 )
90-100 3.2 SS400 角付け

120 3.2 SS400 すみ肉
180 9 SS400 すみ肉。2層なら2パスで160A

被覆アーク溶接 SS400 板厚9mm N-2F:突き合わせ溶接裏金なし
———————————————————————————–
電流 継ぎ手形状
———————————————————————————–
80 V形、LB-52UΦ3.2、1層目裏波溶接、ストレート、ルート面1mm、ルート間隔2.0
90 V形、LB-52UΦ3.2、1層目裏波溶接、開先面に当ててウィービング、ルート面1mm、ルート間隔2.0
100 V形、LB-52UΦ3.2、1層目裏波溶接、ストレート、ルート面1mm、ルート間隔1.6
後半で大穴が開く場合は電流を低くする。ルート間隔を狭目にする。
アークの発生が難しい場合は電流を上げる
180 V形、B-14Φ4.0、2層目ストレート
170 V形、B-14Φ4.0、3層目ストレート
160 V形、B-14Φ4.0、4層目あらいウィービング。ほぼ母材近くまで。
150 V形、B-14Φ4.0、5層目ウィービング。開先の角を完全に溶かす。
2層目から最終層前まではストレートで よい。
最終層だけウィービング。最終層は130Aまで下げると見た目ではきれいになる。ただし、スラグの先行に注意。層数は4か5。母材以上の高さになるまで。

ノズルがじゃまにならない!画期的だ。ペダルでの電流調節もしてるな

TIG溶接のノズルが透明だ。クリアーだ。 この会社?のYouTubeはいいです。 さて、教える時に使える。(ノズルってじゃまだよね)ガラスノズルを使ってもらうと技が360度全方向から見える。ノズルを透明にできるの?耐熱ガ … “ノズルがじゃまにならない!画期的だ。ペダルでの電流調節もしてるな” の続きを読む

TIG溶接のノズルが透明だ。クリアーだ。

この会社?のYouTubeはいいです。

さて、
教える時に使える。(ノズルってじゃまだよね)
ガラスノズルを使ってもらうと技が360度全方向から見える。
ノズルを透明にできるの?耐熱ガラス?
ローリングできるんか?溶けるだろ
ガスが少なくていい。
風に強いかも。
仮付が簡単。当てるだけでできる。
自動遮光溶接フィルターで作業効率が上がる。
見えない場合、ローリングで探りながらでなく、もしかして見えるかも。
。。。
などと思うのです。

他にも動画では、足で電流調節しているようだ。アルミなんかで特に効率上がる。

日本人は技が細かいのでわりと工具にこだわらないのではなかろうか。
器用だもんね。
「外科医で神の手」なんて言われることがある。
一方で、
da Vinci (医療ロボット)もある。
あまりに器用なために便利な道具が開発されないのか?
使い続けた工具がいいのか。ナレってあるもんね。
自分もナレ第一かな。
業者に言ってみた。
探してくれるかな?
透明のノズルで熱に強いのがあったらほしい。
と思い検索したらあるようです。
ブログでも紹介されてます。
2年も前に。
こちらのPDFの26ページにもガラスのノズルがありました。ここも
あるんですね。
さがさんとわからんもんだ。

こちらの会社でも使われている

これやここ
どうやって買う

ノズル透明ガラス?

ノズルだけほしい。
クリアーなノズル

 

電流 電圧 記憶 覚える 炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接 計算式

ワイヤーが母材に当たるようなら電圧を上げる。(最近の機械は勝手に調整するからなー。当たらんわ。)
ワイヤーの先端が玉になって落ちる感じなら電圧を下げる。こっちの方は最近の機械でもわかる。

150A 20V

200A 24V弱 覚えやすいように25でいい。

溶接機に「一元」の設定があれば覚える必要はない。電流のダイアルを回すだで電圧を機械が自動で設定(デジタルは表示)する。デジタルの機械ならアークを出す必要無し

ダイヘン
パナソニック


電圧のメモリは真ん中にした状態で一元にして電流のつまみを回せば機械がきめる電圧が見える(デジタルの溶接機、動画あり)。150Aで20Vが覚えやすい

被覆アーク溶接、TIGには電圧の調整って無い。炭酸ガスだけ電圧まである。さらに、被覆アーク溶接、TIGはアーク長が変化しても電流は一定に機械がしてくれる。炭酸ガスは電圧は一定に機械がしてくれるが、突き出し長さで溶接中に電流を変更できる。

電圧を求める計算式

短絡移行 だいたい250A以下は、
0.04x電流+16±2
250A以上 グロビュール移行
0.04x電流+20±2

具体的に、

電流と電圧
電流が100A 0.04x100+16=20V
電流が200A 0.04x200+16=24V 25
電流が300A 0.04x300+20=32V 30
よって
100A 20V
200A 25V
300A 30V
と覚える。
覚えやすいようにした。今のデジタルな溶接機は2~3V低い。
3つ覚えるのも面倒だし、100Aから200Aをよく使うなら。

150A 20V

だけでいい。
ついでに、
電流と突き出し長さ
100 10
200 15
300 20

これに10を足せば電圧になる。

100  10+10=20

200 15+10=25

300 20+10=30

覚えるのは「電流と突き出し長さ」
そしてプラス10で電圧。
100 10
これ覚えやすい。だから、無視。
200 15
300 20
この2つを覚えればいい。
300って使わない!なら
200A 15mmだけね。
ん。大胆だから目安よね。
スタートでメチャクチャだと電圧を上げるか、下げるか判断できない。
実際にアークを出して調節するんでスタートでだいたいあってればいいわ。

突き出し長さと電流の関係、炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接

ノズルの径は、20mm。ワイヤーが見えるが、アークを出した後なので先が丸くなり、熱で変色している。ワイヤーの「突き出し長さ」は12mm程度だろう。180Aの電流なら適当な突き出し長さだ。(突き出し長さとは、母材-ノズル間 … “突き出し長さと電流の関係、炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接” の続きを読む

BlogPaint

ノズルの径は、20mm。
ワイヤーが見えるが、アークを出した後なので先が丸くなり、熱で変色している。
ワイヤーの「突き出し長さ」は12mm程度だろう。
180Aの電流なら適当な突き出し長さだ。
(突き出し長さとは、母材-ノズル間の距離。正確にはコンタクトチップ-母材間。コンタクトチップがノズルから出すこともある)
この突き出し長さは、実際の電流に影響する。
180Aに調整していても、
突き出し長さを長くするとワイヤーの電気抵抗が上がるので150Aに。
突き出し長さを短くするとワイヤーの電気抵抗が下がるので230Aくらいになる。
とっても簡単に変化してしまう。
突き出し長さを一定にすることは、炭酸ガス/半自動アーク溶接の基本中の基本です。
(TIG、被覆アーク溶接ならアーク長を一定にすることが基本中の基本です。)

で、
溶接中にもっと熱を入れたかったら突き出し長さを短くすればいいし、
穴が空きそうなら、突き出し長さを長くするという方法もある。
溶接中に電流調節ができるということだ。
熱を入れる=電流を上げる:突き出し長さを短くする

電流っていう言葉は、あまり言わないな~ 電圧を上げるとビードが太くなる

普段、溶接の「電流を180ぐらいで。。。」 と言うべきところを 「電圧を180ぐらいで。。。」 「180ボルトぐらいで。。。」 って言うことないでしょうか? 普段の生活では、電圧しか言わないからしかたない。 ところで、 … “電流っていう言葉は、あまり言わないな~ 電圧を上げるとビードが太くなる” の続きを読む

普段、溶接の「電流を180ぐらいで。。。」
と言うべきところを
「電圧を180ぐらいで。。。」
「180ボルトぐらいで。。。」
って言うことないでしょうか?
普段の生活では、電圧しか言わないからしかたない。

ところで、
半自動溶接/炭酸ガスアーク溶接の溶接機だけです。電圧のつまみがあるのは。
被覆アーク溶接/手棒やアルゴンガス溶接/TIG溶接の溶接機には電圧のつまみがない。

さて、
電流の単位をご存知だろか?
A(アンペア)でしょ!
そうです。
が、
A(アンペア)って?。どんな単位?。
これを調べると1秒当たりのクーロン量が電流ですと。
電流(A=C/s)。Cがクーロン。sが1秒。
スピードはkm/hのように一時間に何キロ走ったかです。
スピードは単位があって意味がわかる。
単位って大切です。
電流をAという単位にしないでC/sの方がいい?。。と思ったが。
Cのクーロンってもっとわからない。
だからAでごまかしてもいいか。
電流もわかりにくいが、電圧や電気抵抗もわかりにくい?。
実は、電気を水にすると感覚的にわかるんです。
電流=水
電圧=水
抵抗=川の石ころ。パイプなら細いと抵抗になる。
水流モデルっでわかりやすいと思う。特にこれ
電流って電圧と抵抗で決まる。
電気機器なら抵抗とは電気の消費量。
電圧は家庭では100Vですね。
溶接機は三相交流の200Vです。
まず、
電圧が決まっていて
どんだけ流れるかは消費量(抵抗)で決まる。
抵抗があるから、どんだけ流れるか(電流)決まる。
V=RI 単位で書くとV=ΩA オームの法則 電圧=抵抗x電流

さて、さて、
普段の生活でよく聞くのは、
電圧

ワット
です。

ワットは電流x電圧です。
単位も書くと、ワット(W)=電流(A)x電圧(V)
ワットは電流も含むが、
実際に使う場面、例えば電源タップは1500W以内です。
100V(ボルト)なら15A(アンペア)以上流せないということです。
家庭なら電圧が100Vと決まっているので電流15Aまでしか流せないってキマる。
しかし、
電流のAを調べるでしょうか?
1500W以内かどうかを調べる時に使用する電気機器のワットを調べ、合計が1500以下か確認するのでやはり、電流は使いませんね。

また、
危険性から言えば電圧で表現する方が都合がいい。
100ボルトより10万ボルトの方が危険。
100Vといえば家庭用の電源。
この程度の圧では、空中を通って電気は流れません。
一方、
10万ボルトとなるとメートル単位?で空中を飛んできます。

溶接でも同様です。
(溶接で電圧を調整できるのは半自動溶接/炭酸ガスアーク溶接だけ、アーク長が電圧)
電圧が低いと圧が低いので最短距離でアークが飛びます。広がらない。狭い方が穴が空きにくいし、ワイヤーはドンドン入るんで薄板にはいい。
電圧が低いと最短距離に電気が流れる

電圧が高いと圧が高いので最短以外に広い範囲にアークが飛びます。
圧、勢いがあるもんね。
よって、
炭酸ガス/半自動アーク溶接なら電圧が高いとビードが広く、平ら(フラット)になる。
そのため、
手が震えても広いプールができているし、振れる範囲より広くアークが飛んでいるので安定しているように思える。素人にはありがたい。
すみ肉(隅肉)の場合は、電圧を高めにするとカッコよくなる。凸ではなく凹むのでいいかんじかも。
次の図は、赤い色でアークが広がっている様子。
緑の線は、ワイヤ先端だけでなく途中からでもアークが飛ぶということ。
よって、ワイヤ先端に線香花火のような丸い玉ができる。
BlogPaint
圧が高いと勢いがあるから、あっちこっちにアークが飛びやすくなる。
だから、
ワイヤーが玉になって落ちるようになるのだ!!
くどい
グロビュール移行みたい

炭酸ガスのプールの大きさとワイヤー径の関係 特徴

当たり前の話。 プールの大きさは直径10mmとして、 炭酸ガスアーク溶接のワイヤー径は普通1.2mm 一方、 被覆アーク溶接棒の芯線の直径は3.2とか4.0mm プールの大きさに対して目で見ている溶加棒の大きさに違いがあ … “炭酸ガスのプールの大きさとワイヤー径の関係 特徴” の続きを読む

当たり前の話。

プールの大きさは直径10mmとして、

炭酸ガスアーク溶接のワイヤー径は普通1.2mm

一方、

被覆アーク溶接棒の芯線の直径は3.2とか4.0mm

プールの大きさに対して目で見ている溶加棒の大きさに違いがある。

当たり前。

これにについて言葉で語る必要もないくらい当たり前だが、

あえて、
炭酸ガスアーク溶接(半自動溶接)の特徴として考えた。

炭酸ガスアーク溶接では、比較的ウィービングすることが多い。

大電流で使えることもあるが、9mm程度の板厚になってくるとビード幅も大きくする。

4mm棒の手棒(被覆アーク溶接棒)なら軽く置いて電流を高くしておけば10mm程度の平らなビードはできる。

下の写真は、プールの大きさ(丸の方)とワイヤーを書いた。
そのまた次が実際の写真。冷えた状態だがプールとワイヤーが見える。

開先加工して突き合わせの立向溶接の場合は、裏波溶接(一層目ビード)の幅は7mmぐらい。

これと1.2mmのワイヤーを比較してみた。

炭酸ガスアーク溶接の場合は、プール(溶融池)がよく見えるのでプール上のどこかを狙ってウィービングとかトーチを動かしている。

BlogPaint

ほぼストレートに上に進んでいく。プールの先頭を狙う(下図)ことで電流が低くても母材にアーク飛んで裏にも出やすい(裏波)。

キーホール(下図の開先一部が溶けた穴)の大きさが大きくなりそうだとウィービングする。

こんな7mm幅でもウィービングだ。

だいたい、
炭酸ガスアーク溶接のワイヤ(棒)が細いんだからストレートはいけまえん。
炭酸ガスアーク溶接の立向ではストレートにすると真ん中が凸なビードになる。
下向きでもストレートは凸になる。
被覆アーク溶接のようにフラックスがないから仕方ない。
フラックスがあると、特にLB-52U(被覆アーク溶接棒)裏波溶接棒だからフラックス(溶けるとスラグ)で裏波がダレてしまうのを防いでくれる。
ガラスのような被覆/スラグが固めてくれるのでフラット(平らな)なビードになりやす。

炭酸ガスアーク溶接では裏波溶接で裏に出したいためにストレートをすることはある。

しかし、ほとんどがウィービングだ。
フラットにしたければウィービングだ。
写真のワイヤーとビードの幅を比べると細い。母材を溶かすにはプール(溶融池)の進行方向側を狙う必要がある。

炭酸ガスアーク溶接、ワイヤー径とプールの大きさ(一層目)

JIS検定試験では、立向溶接は下から上に溶接します。

これはプール(溶融池)が下にたれるため、
プールの上を狙えば母材にアークが飛びやすく、溶け込みを大きくできるためです。
上の写真のキーホールは立向溶接だったら簡単につくれます。
下向きなら切るときのタイミングでキーホールが全く消えてしまう(引力の関係で埋まるんだ)。
ところで、
立向溶接で上から下に溶接をしないのかというと検定以外ならします。(30年前は手棒JISでする人が多かった。手棒しか記憶ない。当時は半自動する人が少ない。いない?)
見た目とスピードから言えば立向溶接は上から下の方が簡単で効率的です。
ただし、溶融池のたれ以上に早く下げていかないと溶け込みがわるくなる。岡山では「沸かない」(私は母材を良く溶かすこと理解)といいます。
次の写真は、立向溶接110A程度でウィービング。最終層の前にフラットにするため左右の端で結構止めます。
中はスーと早く。狙いは左端と右端という感じ。
やっているときは開先加工面がエグれているのが見えるのだが止めて写真を撮るとどうも凹みの感じは少ない。
左の方にアークが飛んだようなキズが20mmほどある。
これは、アンダーカット(えぐれ)が見えるようにしようと右端から左端にいく途中で止めたと同時にトーチを話してのでアークが飛んでいたのでしょう?。
左端が少し凹んでませんかね。
アンダーカットです。
これはウィービングで左端で止めるので普通は埋めるのです。
埋める前だと凹んでいるだろうと左向きに移動を完了する前にスイッチを切った。
赤色で囲んだ所が凹んでいる。
BlogPaint

なかなか開先加工面が溶けて凹んでいるのが撮れない。
溶接中は凹んでいるのがよくわかるが。。

どうも、くせのように両端では止める。
つまり、アンダーカットを埋めてから次の端に移動する。
なかなか

埋めないでスイッチを切ることができないので右から左に移動するときに(中間辺り)スイッチを切った。

開先加工面は完全にアンダーカットができるくらい溶かしている(沸かしている)ので溶け込み不良はない。
炭酸ガスアーク溶接の場合はSA-2FやSN-2FよりSA-2VやSN-2Vの方が溶け込みの関係で受かりやすいかも知れない。

また、電流を90Aくらいでもできるが、凹みが作りにくいので110Aくらいでした。

JIS検定試験を受けるならなるべく沸かすために電流は高くした方がいい。