SN-2F 下向き突合せ溶接 9mm厚 炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接

炭酸ガスアーク溶接(CO2溶接、半自動) V形突合せ溶接 SN-2F (Sは半自動/セミオートのS)。SN-2H横向きはこちら

裏波溶接 1層目 プール/溶融池が見える。

9mm厚の幅25mm、長さ200mm。30度の開先加工をしている。加工はのこ盤

ルート間隔は2mmで、仮付けしている。ルート面は何もしなかった。ホントは0.5-1mm程度の面がある方が制御しやすい。電流は110A。電圧は一元(電流から自動で機械が決める)。

初めの方は、ルート間隔が2mmあったので小さなウィービングで穴が空かないようにしたが、途中でルート間隔は1mmより小さい状態になったのでストレートにしてプールの-先頭にアークが行くようにどんどん先に進んだ。終わりごろは板が温まり、熱が逃げる所が少なくなってときたま穴が開くのでウィービングに変更した。4回ほど、穴にワイヤー-が抜けるような音がしたが、裏波の結果はワイヤーがくっついているような所はなかった。
たて向き溶接なら、溶融金属(ほとんどがワイヤー)が下に垂れるので溶融金属によってアークが母材にとどく。下向き溶接で、短絡移行溶接程度(200A以下)の電流の場合はどうしても溶融金属(ほとんどがワイヤー)が邪魔して母材にアークが飛ばなくなる。だから、炭酸ガスの下向き溶接の場合は電流を高か目にした方が曲げ試験などで失敗がない。電流を下げると溶接制御はしやすいが溶接速度が遅いと母材が溶けていない(110Aで母材を溶かすスピード早くできないなら120A以上にすべきだ)。

一層目の裏波溶接。狙い優先だから前進法(押し)、板厚が9mmだからノズルがたまに当たるくらいでちょうど突き出し長さが10mmになる。長くなると電流が下がって90Aくらいに、裏まで溶けない。

裏波の状態。角が溶けて凸状態になっていれば開先加工面も溶けているはず。
下向きの場合は、プールを大きくするとビード幅が広くなり、凸にもなりやすい。(これは重力がそうしてくれている。立向溶接でそうはいかない)
SN-2F裏波側

一層目は、狙いの練習になる。
炭酸ガス溶接の場合は特に狙い。アークを発生している所が重要になる。
ワイヤー径がΦ1.2。ソリッドワイヤーSE-50Tで、電流を110A以下にしてもプール(溶融池)は8mmくらいになる。
このプールのどこでアークを発生させているかが重要です。
(手棒では交流なので正極性のタイミングがあるんで母材が溶けやすい。直径が3mm以上あるし、フラックスがかぶさっているのでそんなに意識しないかもしれないが、母材は溶けやすい。)
で、
アークを発生している所が重要になる。」何が重要?
プールの先頭でアークを発生させる=母材を溶かす。
です。
しかも、
裏波溶接は開先のすき間を狙わないと角が溶けません。
ですから、裏波の結果で思っている通りに狙えているか判断しやすい。
片溶けや溶けこみ不足などの欠陥でトーチ角度や狙い、スピードの良し悪しがわかるんです。いい練習になるわ。

二層目、三層目で特に言えることだが、
母材を溶かしていないと曲げた後、開先加工面がそのまま見えるような破断面となる。
この原因は、溶接のスピートが遅い。相当に遅い!。注意、遅いからだめなんですよ(電流が150A以下)。
電流を180Aくらいにすると少々、溶接スピードが遅くても溶込み不良は起きない。
このわれよりこっち
破断面が開先加工面

下図のように開先加工をしていると裏波溶接(一層目)は簡単だ。板厚が徐々に厚くなるので溶接時にできるキーホール(小穴)が大きくならない、だから簡単に穴をうめることができる。穴が開きそうならウィービングで逃げる。このウィービングは結構大胆に、幅広くする。ウィービングで開先加工面にアークを向ければ板厚が厚い部分なので、ルート部分に穴があくことはない。逆に、ルート部分を溶かす(裏波を出す)ならルートを狙う。
さらに、

IMG_1131[1]
何度も書くが裏波を出すならルートの部分に溶着金属がたまらないようにどんどん先に進む。
裏が出ないのは、ルート間隔が狭いのではなく、スピードが遅い。
狙いがずれても、スピードが遅くなっても裏を出したいなら、
ルート間隔は、3mm。(狙いの練習にはならないが)
これなら遅くても大丈夫。穴が大きくなったら裏波成功。だが、穴をふさぐぐのは簡単。ウィービング。
結構、結構大胆なウィービングね。
炭酸ガスは、手棒に比べて裏波を出すのは簡単。

2層目

2層目と3層目は、後退法、引く。後退法(引き)にする意味は、母材をよく溶かすため。電流2層目190A程度、最終層180A程度。二層目は電圧を高めにするとすトレードでも平なビードになる。1層目は、前進法(押し)。前進法にするのは狙いを重視しているため。
1層目の電流はルート面が0.5mmでルート間隔が2mm(仮付して2mm棒が簡単に入る)なら90A。
仮付して2mm棒が入らないなら100-110Aで基本ストレート。
3mm近くあるなら80Aで基本
ウィービング。
この50mm幅の練習材料に比べ、JIS検定試験、本番の125mm幅と大きいので溶けにくい。10Aくらい高めに。
また、
ルート面は0.5mm程度なのでこれ大きい場合は、20A高め。
機械にもよるが、デジタルは100Aでもアナログの110Aって感じ。
(最終層、3層目か4層目で曲がるようならなるべく立てた前進法でもよい)
1層目は、穴が開きそうならウィービング、ルート間隔が狭く裏波が無理そうならストレート早く走る
「早く走る」って?。裏に沢山出すなら「ゆっくりだろ!」というのは普通の考え方です。溶接棒を使わない時のTIG溶接ならその考え方で正しい。しかし、ワイヤーがどんどん入ってくる半自動アーク溶接の場合で、電流150A以下の場合は「早く走る」が正解。なぜならの絵を見て下さい。
もひとつ、
「早く走る」とルート間隔のすき間をワイヤーが抜けてしまうだろ?。そうの通りです。ルート間隔が狭い場合は、そのくらいの溶接スピードでやっと裏が出ます。付け加えると、抜けたとしても一瞬です。生ワイヤーが裏に残るようなことはありません。「一瞬」の抜けで制御できないならう一瞬になるように技能アップしましょう。「一瞬」の抜け程度なら生ワイアは残りません。
ついでに、
裏を出すために溶接方向に前後のウィービングをする人がいます。
ワイヤーが裏に抜けるのを「一瞬」にしやすいこともありますが、
これ以外に、
溶接方向にウィービングについて
1、前に出すー>裏波のため
2、戻るー>盛るため。大穴防止。
半自動/炭酸ガスアーク溶接は、どんどんワイヤが送給されていることを忘れない。
なお、
「戻る」は、穴あき防止にも効果あるが、いっそウィービングする方が効果的。
このウィービングで穴がもっと大きくなるならウィービングの幅が狭い。
結構、大胆、広くウィービングする。

最後に、
裏当て材っていうのがあります。
ですから、裏波溶接っていらない?。(狙いの練習にはいい)
裏当て材を使うと裏波というよりきれいな表ビードという感じで。
見た目も溶け込みも十分。
セラミック製で溶けませんので表側からおもいっきり溶かします。
U字にへこんでいて、溶接結果は裏から見て「表ビード?」という感じです。
しかも、
凹凸が少なく上級者のビードです。
裏当て材

裏(波)が出ない
根本的には電流を上げるのだが、以下も確認。

  1. スピードが遅い
  2. 突き出し長さが長く、電流が下がっている(開先加工があるのでノズルは9mm板表面に当たる)
  3. プールの先頭にアークがいかない。(1と同じ。時たまワイヤがすき間から抜けるくらいの気持ち)
  4. 穴が開くを怖がっている(小穴こそ裏波の極意)

突き出し長さがokなら、
ほとんどが、狙いが悪い。

半自動の裏波は楽だ。電流の範囲も広い。
電流が低い。大穴があくなら電流を下げる。
しかし、
大穴が開いたら大胆、相当、大胆にウィービングすればいい。3mm程度の板じゃないので安心。9mm厚まで大穴になることは絶対にない。落ち着こう。
ウィービングは相当大胆にしないと穴はふさげない。プールの後ろ側にアークを出すのも効果的。
プールの後ろ側にアークとは、裏波を出さない方法でもある。

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「SN-2F 下向き突合せ溶接 9mm厚 炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接」への2件のフィードバック

  1.  はじめまして。
    溶接教室に行きたいのですが。
    大阪にはなかなか無いので。

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