ティグ/TIGビード置きの勘違い。TN-Fの2層目のビードが盛れない。母材より低い方

まず、勘違いをしていませんか?

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ビードをおくだけならしっかり母材を溶かす?。不要。表面だけ溶かす。TIGは母材の表面が溶けた上に盛るだけ。

母材の溶け込みの深さは最小でいいのです。下図の上側のイメージ◎。下図の下側のイメージは✖。

TIGはビードを置くだけなら溶け込みを気にする必要はありません。

だから、母材が溶けたらサッサと進む。

余計な熱を入れてはいけません。

TN-Fみたいに2層目をひくことはあまりないので仕方ないかもしれませんが。TIGの場合は母材が溶けた所に溶接棒を入れるので溶込み不良はありません。

TN-Fの2層目を盛るために

  1. プールの見た目は水玉状。電極はプールの中心を狙う。プールの先頭を狙わない。母材を直接狙わない。母材に熱を入れない。
  2. 電流を最低の60Aにする。これで盛れない方は相当進むのが遅いです。または、アーク長が長いためプールができにくくて進めないかもしれません。アーク長を長くしてプールを大きくする?。ってな考えせんとウィービングをして下さい。
  3. 熱を入れないように進むために必ずウィービング。ウィービングをしっかりして、1層目のビード両端をしっかり狙う。
  4. 1層目にひいたビード両端が見えない方。教科書的には100A以下遮光番号10番ですが、11番や9番を試して下さい。
  5. プールの周辺に凹みや影のようなものが見えたらプールが凹もうとしてます。裏波じゃないんだから、どんどん先に進めて下さい。

手早くやるにはウィービングも手早く

TN-Fの2層目を安定させるコツ

実際に溶接する時は、このカメラのように見える位置ではありません。

目の位置は溶接線上の最後から始端の方まで見える位置です。ウィービングの振り幅と1層目のビード幅がしっかり見える位置です。

ティグ/TIGのアークスタートは欠陥なし

この動画はTIG溶接です。前半は、プールができてないのに溶接棒を入れる。後半が正しい、プールができている/母材が溶けているのを確認してから溶接棒を入れる。炭酸ガスアーク溶接や被覆アーク溶接ではできません!

被覆アーク溶接/手溶接・半自動アーク溶接/炭酸がアーク溶接/CO2アーク溶接の場合は、母材が冷たい状態で溶接棒/ワイヤが入ってアークが出るから。欠陥になる。

一方、

TIGは母材を溶かすだけもできるし、棒を入れるタイミングも人が決めます。

ただ、動画の前半のようにプールができてないのに溶接棒をたらすようなことをすると被覆アーク溶接や炭酸ガスアーク溶接/半自動溶接と同じことになります。

動画の前半のTIG=炭酸ガスアーク溶接、被覆アーク溶接

被覆アーク溶接・炭酸ガスアーク溶接/半自動溶接でもスタートから2秒後ぐらいには母材が溶けるのでTIGと同じ状態になる。基本、母材が溶けてる状態では欠陥にならないはず。

スマット ティグ/TIG A5000系アルミの黒焦げ 

黒焦げが特にスタート時に出る方

プリフローを3秒以上にして下さい。

スタート時にしっかりシールドしてないと黒焦げができます。

ワイヤーブラシで取れますが、見た目がね。ただ、見た目だけで機械的な性質の変化があるわけでもないようです。

ついてに、

アルミでよく分かることとして、凝固点。クレータの中心にできるエクボ。

スイッチを押しながら電流を調整してビードをひくとエクボができる。

MXとかダイヘンDA300Pだと「溶接法」が「AC-DC TIG」
クリーニング幅大だと黒焦げがでないが、クリーニング幅小だと黒焦げ著しい。

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TN-Fの2層目のビードが太くなる方

アーク長が長いです。

裏波(1層目)より2層目が難しいという方も

アーク長が長いです。

アーク長が長いと溶かしたい所を狙うことができない。溶かしたい所以外も溶ける。

結果、

2層目のビードに時間がかかり、焼ける、歪む、盛れないから2層目の裏波がでる。

さらに、

ウィービングをしっかりしてますか?。さっさと溶かして進みましょう。溶け込みいらないから。母材より高ければいいだけ。

一度、

あえて60Aで2層目をして下さい(アーク長を短くする訓練)。アーク長が長いとか、しっかりとウィービングしないと母材は溶けません。

60Aで、電極をプールに近づけ、溶かしたい位置にしっかり移動しないと溶けません。

初心者の方は、アーク長が長くなりがち

80-90Aの高い電流でアーク長を長くすることで溶け具合を調整してませんか?

TIG溶接では、電流を上げる前に電極をとにかく近づける。ってことをしましょう。これ大事。

動画は、ウィービングのコツ。手首を当てた状態でグー、チョキ、って感じで動かします。

TN-Fの2層目を安定させるコツ

目の位置は、この動画の位置ではありません。溶接方向。この動画で言えば左側から見ます。ビード幅が正確に見える位置です。

TN-F 棒ありで裏波

以前、1層目棒なしは書いた。これって、簡単にJIS検定試験に合格するための手法でした。

仕事で使うなら棒ありです。立向き、横向きでも使える手法です。ただし、立向きや横向きは溶接棒を裏側に置いてそこを溶かす。仕事しているプロの方はルート間隔を開けていると思います。「クレータあり」でスイッチ/ボタンを使って溶け具合を調整するのでルート間隔が違っても何とかなる。

ルート間隔/すき間も3mmくらい開けます。ですから溶接棒がいる。ルート間隔が3mm以下なら溶接棒径は1.6(動画はこれです)の方がキーホール(動画に説明あり)が確認しやすい。棒径2.0だと送りが少なくてすむがキーホールが確認しにくい。ルート間隔が4-5mmだと棒径2.0でもキーホールが確認しやすい。

これは、両手の特訓課題をしないとできません。両手の特訓課題ができると大抵のことはできます。

両手の特訓課題では、鉄なので「反復」でした。ステンレスでも「反復」を使う人がいるようです?が、「クレータ有り」のスイッチ/ボタンにも慣れると最後のシールドが必要なステンレスや、強めに「冷やしたい」場合は「反復」より一旦切れる「クレータ有り」の方が有利です。横向き、立向き、上向き、パイプで、鉄の場合は冷やして「だれーん」とならないよう形を止める必要がある。イマイチ?という方、「反復」から「クレータ有り」でやってみてね。よく冷えます。

アルミや銅なんか熱伝導がいいので最初は溶けにくいが全体が温まると溶接スピードを早くする必要があります。そんな時もスイッチ/ボタンが自由に使えると楽ですね。普段からスイッチ/ボタンを使わないとねー。

電流値を見れば突出し長さが長いか短いかがわかる。CO2/炭酸ガス/半自動溶接

音でわかる

って言う人が多いが確かにそうだ。「ジー」っていう音ね。これは突き出し長さ一定で上手いということ。

アナログなら電流計、デジタルなら電流値が安定していたら上手いということ。

さらに、

突き出し長さが長いか短いかは、設定値を知っていれば工場長など別の人が機械を見ればわかる。

「バタバタ」はたいてい突き出し長さが長いのか狙いがプールから外れるタイミングでバタバタ。炭酸ガス/CO2のシールが悪くなるし良いことはない。近すぎは基本良い。例えば150Aで5mmの突出し長さだと電流が高くなるし、シールドも問題ないし、音も「ジー」なのだがノズルが汚れやすい。

アークを出して、突出し長さをスケールで測る。

次は初めの2分くらい「一元」の説明と突き出し長さの説明も追加。以後上と中身は同じ。

デジタルの半自動/CO2/炭酸ガス溶接なら溶接経験でゼロでも機械のデジタル数値を見れば判断できる。しかも、突き出し長さが短いのか長いのかの判断もできる。音を聴くより簡単。特に短い場合の音の違いはわかりにく。

デジタル機での判斷だが、

まず、電流の設定値を覚える。例えば、150Aに設定。だいたい突出し長さは10-15mmくらいがいい。

突出し長さが5mm以下だと機械のデジタル値200Aあたりになる。

突出し長さが20mmだとデジタル値は100Aくらい

炭酸がアーク溶接は、溶接中に電流を変えることができるのが特徴。TIGや被覆アーク溶接では溶接中に電流を大きく変えることはできない。TIG、被覆アーク溶接は溶接中に電圧を大きく変えることはできる。TIG、被覆アーク溶接はアーク長が長くなると電圧が大きくなってアークが切れないようにしてくれる。っていいことをしてくれるが、さらに、電流、溶け具合は変わらないようにしている。溶け具合は安定しますね。(ところで、半自動はアーク長は機械の電圧で決める)。

突き出し長さと電流の関係は、理解しやすい。

突出し長さその長さ分が抵抗値になるので長くなれば電流は設定値より下がる。短くすると電流は設定値より高くなる。

なので、

「150Aに設定してます」っていっても溶接する人によって電流値は150Aあたりで、機械としては安定してアークを出そうとして調整するので突出し長さを小さくする癖のある人は設定値150Aより高くなるし、突出し長さが長め(これはいけない)の人は電流が小さくなる。

炭酸ガス/CO2溶接機は、定電圧特性。電圧が変化しないように機械の方で調整する。電圧が変化しないとは、アーク長が一定になるということ。短絡移行/ショートアークといっても、アーク長は一定でないと溶接できません。1秒間に30から100回も短絡、電圧ゼロ状態?があるが、その後にアークの長さは一定にしている。ってことでしょう。

定電圧特性とは、電圧を一定にして電流の変化でアーク長を一定にする仕組みです。電流の変化でワイヤの溶け具合によってアーク長を保つ。ワイヤの送給は一定でも定電圧特性にすることでアーク長の制御ができるんだね(モータでアーク長を制御するのは難しいわな)。

ティグ/TIG溶接のアーク長で電流調節してない?

いつまでたっても上手くならん

なんでかなー?。

  1. スイッチが使って無い
  2. 電極の先と母材間、アーク長ね。スイッチ代わりにアーク長で調整している

当てはまって無いかもしれないけど人は無意識に穴が開くくらい溶け出すと遠くにするのが普通かな-って。

ティグ/TIGアークスポット0.1秒までだけど0.02秒くらいならパルスを使えばできる

どうするかというとパルスとパルス幅の設定をする。そして、クレータなし。押してる間だけアークが出る。

パルスなので連続するがスイッチ/ボタンで入れる秒数を短くできればアークスポットのように1回だけ0.025秒間、特定の電流を流せる。次図の緑の行。パルス周波数を2Hz(ヘルツ)、パルス幅を5%にして、溶接電流を4A、パルス電流を100Aに設定すると100Aの電流を0.025秒間流すことができる。

計算が面倒なのでExcelで表(WIKI)を作った。

まず、A列がパルスのHz(ヘルツ)の設定。数値の意味は、秒間に何回、溶接電流とパルス電流に切り替わるか設定値。例えば、1Hzだと1秒間に1回溶接電流からパルス電流に切り替わる。パルス幅が50%だと0.5秒間は溶接電流で次の0.5秒間はパルス電流。

B列が1パルス?の時間(秒)、1Hzだと1秒、2Hzだと0.5秒、3Hzだと0.3333秒、4Hzだと0.25秒。で繰り返す。2Hzだと0.5秒以内に溶接電流とパルス電流がある。パルス幅を5%にすると0.5秒間の中で溶接電流が95%、パルス電流が5%なのでパルス電流は0.5×0.05=0.025秒(D列)、溶接電流は0.5秒×0.95=0.475秒(C列)で切り替わる。0.5秒以内でスイッチ/ボタンを離す/切るとだいたいそれぞれ1回だけ流れることになる。

パルス幅を5%にして、溶接電流を4A、パルス電流を100Aに設定すると100Aの電流を0.025秒間流すことができる。

さらに、

3Hzにして大きい電流を100Aくらいに、小さい方を4A(最低)にします。高い方の電流は1Hz中の5%だけ、つまり、100Aは、0.00166666秒間流れることになる。

0.33333秒以内にボタンを離すと1度だけの0.016666秒間100Aとなる。

ダイヘンのDA300PWelbee Inverter A350Pだとパルス幅の最低が5%が最低でした。(0.02程度にするのはパルス周波数の5%の時間。人の指でスイッチ/ボタンのOnOffを早くやれば0.2秒程度ならできる。つまり、2Hz。

スマホのストップウォッチでやってみて下さい。大体、0.2前後です。だから2Hzでスイッチ/ボタンを押してすぐに切ればできるでしょう。0.5秒以内でスイッチ/ボタンを切れば0.025秒が可能です。図の表の緑の行。)

ただ、いちいちスイッチ操作するのはどうかなー。

1秒近い時間があれば移動してそのままアーク。

心地いいのは1.3Hzか1.2Hzかと、心臓は1分間に70-80回なのでの平均して75回/60秒周波数は1.25Hz。胎児の時に聞いてるから心地いいらしい。ホワイトノイズも血流の音で心地いいらしい。

ま、

0.8Hzにすると1秒以上は4A。0.063秒100A。

実際に1mmステンレスで突き合わせ溶接したら0.8Hz。5%150A、95%4Aがいい感じだった。電極Φ2.4。遮光番号10番くらいでないと見えなかったので平均20Aくらいかな。なんせ平均電流はチカチカして表示してくれるがほぼチカチカ4Aでした。

パルスに従って進む。毎回切らない。4Aの時が長いので電極が母材から離れると高周波の状態になる。近づけると高周波が無いか見やすいかな。

1.2Hzでやるなら5%の時が0.042秒なので0.8Hzより短くなるので電流は上げる170A。下は同じ4A。

平均電流は、150A*0.o5+4A*0.95=11.3A(1.2Hz、165A*0.05+4A*0.95=12.05A)。計算では結構低い。やりやすいはずだ。0.8Hzなら切れているというか4Aの時間が1秒弱あるので移動もゆっくりできる。

0.8mm厚のSUS304も楽勝でした。隙間があるとだめだけど。Φ1.6にしたらもっと簡単かな?。1.6は母材にくっつくと面倒だから2.4。