溶接工はプールを見る 遮光番号

基本プールしか見ない。プールの形とプールは広がるのでその中のどこを狙うかも大切。

TIGはプール(溶融池)を見る、プールの形を知るのに最適だわ。

プールが小さい時のプールの盛り上がり、ある程度プールが大きくなった時の周りの影(凹み)やプールの波、対流、浮遊物?なんかを見るには遮光番号があってないと疲れます。

プール(溶融池)の形がわかれば、残るビードの形もわかる。プールの上下左右を見ればどの位置にどんな大きさでビードができているかもわかる。

プールはアーク光の下にあるので上から見る場合は、アーク光の向こう側のプールを見ることになる。

プールが見やすいのはTIG溶接。次が炭酸ガスアーク溶接。被覆アーク溶接はフラックスが多すぎ、フラックスがプールの上にのってプールの形なのかスラグ(フラックスが溶けたやつ)の形なのかわかりにく、低水素系LB-47などスラグが硬いとプールとスラグの区切りが見えるがイルミナイトB-14はスラグ水みたいによく流れるのでわかりにくい。

プールとアーク光が区別できない状態では溶接はうまくならない。あたりまえ。

まぶしい順

  1. アーク光     白色に見える
  2. プール(溶融池) オレンジ色に見える

アーク光とプールの区別ができてますか?

光るのは、この2つ。1つじゃなくて2つです。

母材は、アーク光で強く照らされた範囲が見えればいい。それと、プールの周りの母材もプールの溶け具合で見える。プールで2つの材料が溶け合っている所やプールの端が見えればいい。

母材は基本的に見る必要なし。母材の形など見えなくていい。見えたらいけん。

母材の全体がよく見えるはおかしい。きっと、眩しくてプールとアークの区別もできてないはず。

目は紫外線赤外線にやられます。だんだん下手くそになるのはアーク光で目が焼けて見えなくなるため。若い人は目の瞳孔の調節もよくできるので初めのうちは何とか見えるがだんだん疲れて見えなくなる。「午後になると下手になる」ってやつ。長いビードをひく場合にスタートと終了時でも見え方に差があることがある。JIS検定試験ではTIGや手棒はビードの長さが150mm、炭酸ガスアーク溶接では200mm。この長さで最初はいいが、後半だめという方。遮光番号を上げましょう。また、後半がだめという方は目の位置が動いていないかも、スタートでは電極の先が見えるが、頭の位置が同じだと後半はノズルで電極の先が見えなくなるでしょう。

アーク光は見る必要無し。邪魔でもある。特にアーク光の向こう側のプールを見るのは太陽の近くを飛ぶ飛行機を探すのに近い。このイラストは現実とは違う。イラストではどちの飛行機もクッキリ見えてる。

現実は、赤い飛行機は、太陽を手で隠せば何とか見えるが、青い飛行機は濃いサングラスでも見えない。遮光番号13はいる

溶接でもアーク光の向こう側を見るには遮光番号を13以上にしないと見えないとと思う。私は、20代の時13番を使っていた。

見にくいのは2種類ある。

  1. 暗くて見えない
  2. 明るすぎて見えない。眩しい。

溶接の場合は、2の方が多いのでは?。だから、遮光番号を上げるのです。溶接で遮光番号9だとプールすら眩しい(100A)、アーク光はさらに眩しく、肝心のプールとその周りも見にくくする。若い人は遮光番号11や12でもいいと思う。私は10か11かな。数値が高い方が目に優しいからなるべく上げましょう。

JIS T8141では基本的に100Aより下が遮光番号10、100Aあたりから遮光番号11。200Aだと12でしょう。CO2/TIGは、ガスシールド。まぶしい。

「目が悪いから」って、近眼とは関係ありません。まぶしいさです。

プールを見るには

プールより明るいアーク光が見えるくらいの遮光番号を使うと、プールは必ず見えます。アーク光がどれか分からない人は遮光番号を12,13番くらいにするとアーク光とプールの区別ができる。プールの形が溶接の結果になります。何度やっても上手くできない方は、プールの形やプールを作っているTIGなら電極先端、炭酸ガスならワイヤの先端の位置が見えてません。遮光番号を上げてアーク光の位置を確認しましょう。

遮光番号を下げるのは、「暗くてアーク光しか見えない」場合だけ。プールが見にくい=遮光番号を下げて明るくする。って考えは無くしましょう。

こっちでは、アーク光、プール、キーホールを色として説明してる。

溶接ベテランのおじいしゃん(失礼、私もだが)が使っている溶接面を渡され「やってみ!」と言われて初めて溶接をした若者諸君。若い人は目がいいから初めは何とかみえるが、絶対に遮光番号を上げよう。おじいしゃんに悪気は無い。おじいしゃんは、通常、9番、8番なんかを使う。ベテランすぎてプールをしっかり見ないか、目の衰えで眩しくないのです。畑によく出るおばあちゃんは白内障の手術を早めにするでしょう。

なぜ電圧を上げるとアンダーカットになるのか?炭酸ガス CO2 半自動 アーク溶接

まず、電(「流ではありません)。この設定は炭酸ガスアーク溶接、CO2溶接、半自動溶接アーク溶接、言い方いろいろだが、この溶接は、ワイヤーが自動的に送球じゃなないね。野球じゃないんだから。送給されるからアーク長を人の手で調整できない。だから半分自動な溶接、半自動溶接です。英語でセミオートってやつ。(セミオートマチック/拳銃のセミオート。検索すると自動車のセミオートの方がヒットするね。話はそれた。)

フラット(平ら)なビードを引きたいなら電圧を高くする。これで「アンダーカット」という言葉がピンときたという方はいないじゃないかな。電圧がを高くするといってもメチャクチャ電圧を上げるのです。そうすると、アンダーカットとなる。ほど良い程度の電圧高めはプールが広いので溶接しやすい。

電圧が高い=アーク長が長い。のでビードは太くなる。

電圧のが高いのでアークは勢い余って広がる。ワイヤー先端だけじゃなくて側面からもアークが出てワイヤ先端が溶けて玉のように見える。電流(ワイヤの溶ける量)に対して電圧が圧倒的に高い、溶接スピードも遅くしないと、ビードが広い割にワイヤの溶け落ちる量が少なくなって母材より凹む所ができる。アンダーカット。板厚が厚い場合の話で。もし、

板厚が2mmくらいなら電圧を上げると穴が空く。広く溶かすので溶けると流れやすい鉄の場合は穴が開く。アルミも溶けると流れやすいのでビードが太いと穴が空きやすい。

黄色い線はアーク光です。電圧の圧が大きいので最短距離はもちろん遠い距離でも飛ぶ。

電圧が高いとアーク長が長くなり、プールの幅が大きいため溶着金属の量が不足する

逆がオーバーラップです。電圧が超、低すぎるとオーバーラップします。黄色い線はアーク光です。電圧の圧が小さいので最短距離しかアークが飛ばない。

電圧が低すぎるとアーク長が短くなり、プールの幅が狭く溶着金属があふれる

電圧が低すぎて、かつ、電流が200A以下だと、ワイヤーが赤いプールに、ガツンガツンと当たって溶接にならないかもしれません。

以前、電流っていう言葉は、あまり言わないな~ 電圧を上げるとビードが太くなる炭酸ガス/CO2/半自動溶接は溶融プールの先頭にアークも書いてます。

「半自動の突き出し長さと電圧の覚え方」はこちら

結論

  • アンダーカットがあるー>電圧を下げる
  • オーバーラップがあるー>電圧を上げる

ってゆう方法もある。ただし、溶接電流と溶接スピードの方が影響大なので微調整程度です。

水平隅肉では、ビードの中心が盛り上がらないように電圧を上げることがあるが、立板がアンダーカットになりやすい。電圧を下げて、溶接スピードの調整でフラットなビードにしてアンダーカットも防ぐとか、そもそも、電流を下げてしまうか??。

溶け込みが心配なら立板を板厚の半分くらいレ形の開先加工にすれば電流を下げてものど厚が確保できるので強度の問題も解決できます。

岡山仕様のガス切断用吹管?

岡山仕様って前に書いたかな?。神戸あたりまで使っているらしい。溶材屋さんに頼むと岡山仕様の22山が入ってくる。

モノタロウで買った吹管にこの切断火口は付かない。付くようで付かない。

Hが付く

吹管にも22山と書いてある。

大阪より東、広島より西の皆様。22山って持ってますか?。コメント下さい。

話は締め方、これは全国共通。

締める時は真ん中のナットで締めて、かしめる感じでガスが漏れるのを防ぐ。次図は、モンキーで見えないがモンキースパナがくわえているのがその真中のナット。全部で3つのナットが火口にある。

二重のナット式?で、上図の上側の、モンキーの上に見えるナットを締めて固定です。一番下(上の図)のナットはいじらない。火口の同心円の真円がずれるから。

キッチンのシンク制作(製作)

30年前に一度作ったことがある。溶接箇所をなるべく少なくしてつくった。こんなかんじ。

展開図も作ってみました。サーフェスです。参照スケッチが活躍します。

サーフェースでないと展開できない部分がある。溶接線を減らすためです。

球をカクカクした面で描けばSolidworksの板金で展開できる。展開図は最後の最後に見えます。

この動画は大量生産っぽい。バフ研磨で溶接箇所がわからなくなるが、いもつじというハンマーで丁寧にならしてから研磨です。これ手作業で作る話。高価なソリッドワークスを加工のために使うとゆう?。そう簡単に展開図作れない。球面があるから。溶接のための展開図と地球儀を作る葉っぱみたいな展開図とは違う。

これは板金屋にはできない。大きなプレスがいるわ。

MA-F 逆歪(角変形)とステンレスフラック入りワイヤー

MはMAGかMIGのMでしょう。

SA-2F(3層盛)のステンレス版。溶接協会の資格一覧の下にある。試験片はステンレスSUS304なので高いから?熱伝導性が悪いので大きくしても意味がない からか幅100mm。SA-2Fは125mm。溶接する長さは同じ200mm。

JIS検定で裏当て金ありは結構簡単です。

注意点は、逆ひずみを5度ほどとること。逆歪がゼロだと角変形で落ちる。ビードが太くなりすぎたら6-7度くらい歪みます。ルートギャップ/RG/ルート間隔が狭いと歪みは少なくなる。TN-FもそいだがステンレスSUS304はネバイので曲げ試験には めっぽう強いので曲げで割れない。だから、 歪み/角変形にご注意。

下図はSolidWorksで試験片の寸法で描いてみた。試験片を仮付け溶接する時の逆歪の例です。裏当て金分で逆歪を取れば187.69となっているので、だいたい7-8度の逆歪みがとれる。溶接歪みがプラス7度になっても0度、ほぼ真っ直ぐ。

SA-2Fだと逆歪は、t3.2の板を両側に置いて仮付けする。逆歪は3度程度。ルートギャップが3mくらいだと溶接の歪みは1-2度なのでマイナス3度程度の逆歪があれば溶接で戻りきらないくらいだから、間違いなく5度以内におさまる。実は、SA-2Fでは、両端のt3.2を6mmにしてぼぼ真っ直ぐに仮付けしても歪みは5度以内なので逆歪みはいらないくらいだ。歪みの要注意はSUS304です。

もう一つ注意点があるとすれば、 ステンレスのフラックス入りワイヤー /DW-308 Φ1.2を使うので フラックスの巻き込み に注意かな。 まあ 電流を200以上240とか 高くしとけば フラックスは 表面まで浮いてくる。

ガスは炭酸ガス、溶接ワイヤDW-308Φ1.2。ルートギャップRGは4-5mm。ルートフェイスRFゼロ。1層目240A32V後進/引きストレート、2層目240A32V後退/引き細かいウィービング。3層目/最終層220A30V後退/引きウィービング。引きなのでビードの高さを見ながらする。開先加工の肩から1mm低くする。最終層は200A29V。突き出し長さが長くなると200A以下になるので突き出し長さ20mm以内。電圧も書いてますが、「一元」の設定でいいです。動画では3層だが4層になる人は、一層が薄いのでスラグの巻き込み、スピードも早い(プールの先頭にアーク)ので溶け込み不良になることもないでしょう。この場合はどの層も20A低くしてもいい。層が増えるのは問題ありません。

最終層のウィービングは両端で止める。中心は早めに通過。開先加工の肩が残ってないとウィービングの止端(シタン/溶接用語です)が見えない。見にくい時は前進/押しでする。

SUS304は急冷しても何も問題はないので粒界腐食を避けるために水冷、濡れタオルで層ごとに冷やす。水につけてもいいぐらいだがJIS検定ではいらない。大抵は一層ごとに掃除を丁寧にして時間をおけば受かる。鉄は急冷禁止です。

200A以上なので溶接面の遮光番号は11番が普通です。60歳超えの私も11番です。若い人は12番がいいかもしれません。JIS規格の簡易閲覧20ページでは、11か12番です。個人差があります、年齢差ですね。例えば、100A以下が10番となってますが私の年齢では150A以下が10番です。炭酸ガスの立向きや横向きではたいて10番を使ってます。50歳のころは確か11番でした。もしかして、JIS規格の遮光番号は40-50歳以下の規格かも。

球やアールを展開図にする

アールはともかく球は展開図にできない。サッカーボールは球だが、複数の六角形の展開図でボールっぽく作ることができる。だから、細かくすれば球に見える。

ソリッドワークス/SolidWorksの板金のタブの「とめつぎフランジ」は、スケッチで直線を書くとフランジを作ってくれる。いろいろな角度があり、複雑な形状を描く場合は便利です。次図は、直線をアールっぽく、底を12多角形で円っぽく。

球の1/8やアールが多いと加工がしにくい。溶接するとなると直線的で短い方がひずみ、研磨が少なくていい。

参考にこっちも。

展開は最後の最後にしてます。

ビードフラッシュ?

聞くとビードカットかな。グライダーかけ。ナンカね、フラッシュとなると閃光(せんこう)なんでグラインダーかけの様子を言うのかな?

ビードの盛り上がりを切除してすると溶接跡もわからないし、盛り上がった部分の引張応力の除去になるし、板厚が均一になるので応力の集中も避けることができる。

アークストライクのことでも無い。

青いところがアークストライク。炭酸ガスアーク溶接の立て向き溶接でアークを切ってすぐに左にトーチを移動したときに付いた傷。

ソリッドワイヤでも座屈する

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ローラーの圧力を上げすぎかな?。弱いと滑るからこんな座屈することはない。

ソリッドワイヤーはローラーの圧力を気にする必要なし。コアード/フラックス入りなら楕円変形させないように圧力を弱くする。