溶込み不良 半自動/炭酸ガス/CO2溶接だけ。狙い位置にご注意

以前、「半自動/炭酸ガス/CO2溶接は溶融プールの先頭にアーク」という題名で書いた。200A以下の短絡移行/ショートアークの場合は母材を狙わなあかんという話。

半自動溶接/炭酸ガスアーク溶接の仮付は、電流を高めにしないと簡単に外れる。

被覆アーク溶接/手棒の場合も高めの電流で仮付をする。しかし、滅多に溶け込み不良はない。

きっと、逆極性と正極性(逆だから溶接としてだめ)のためか。炭酸ガスアーク溶接は、逆極性、被覆アーク溶接は正極性のタイミングがある。交流なので一秒間に60回ある。TIG溶接やエンジンウエルダーの被覆アーク溶接は常に正極性

炭酸ガスアーク溶接が逆極性(こっちもか)とは、ワイヤーがプラス。ここでは、

DCEN (Direct Current Electrode Negative) 直流棒マイナス
DCEP (Direct Current Electrode Positive) 直流棒プラス

溶接として正しい正極性が棒マイナス、DCEN
溶接として間違い?な逆極性が棒プラス、ECEP

炭酸ガスアーク溶接は、棒がプラス。プラスの側がよく溶けるので炭酸ガスアーク溶接は、母材よりワイヤーがよく溶ける。TIGは正極性で母材がよく溶ける。

150A以下で水平隅肉。立板t6mm下板t9mm。あえて立板t6の方を狙って溶接

本来なら溶けにくい方、どっちが溶けないかを予想。ここの例なら、下の板の方が板厚が厚いし、板の中の方なので全周に放熱するので立板より溶けにくい。立っている板は、板厚が薄いし、板の端なので放熱できるのが上方向だけなので溶けやすい。

だから、

下を狙って溶かせば勝手に立て板は溶ける。

が、

溶け込み不良の確認をしたいので、あえて、立板を狙ってしかも溶け込みが浅くなる押し(前進法)でビードを乗せつ。ホンマに乗せるって感じ。アークは常に母材ではなくプールの進行方向の逆を狙う。ん、ややこしいか、ビードの上を狙う。溶けた溶着金属/プールが母材に落ちる乗る感じで溶接です。溶接スピードが超遅い。座布団をひいてるのですね。溶け込み不良の典型やってます。良く言えば丁寧な溶接です。150A程度/短絡移行/ショートアークの電流でゆっくりするとよく溶けると思っている方、素人/普通の人です。日常で火をつけるとなると同じ所に長ーくって。思うのが普通ですもんね。

下図の黒い面は座布団、溶け込み不良。溶けてませんってことで黒色です。一部、破断面は、キラキラ、ステンレスような色、白色。白はチギレタので溶接できてた。

ハンマーで叩く。飴ちゃんが乗った感じだったんかな

見た目ではとっても溶接。炭酸ガスアーク溶接はねー。被覆アーク溶接(手棒)ではこんなことはないわ。交流で半分は正極性のタイミングあるから。

ま、溶けにくい方を狙う。下図だと下の板を狙う。そして、プールの先頭にアークと飛ばす。溶けにくい方を溶かすための電流(下の板を溶かすための電流値)が必要です。

dav
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